現代に生きる女性像を描写した作品を多く手掛ける、脚本家 中園ミホ氏と、“Smart, Precious with LOVE”をコンセプトに、今の時代をしなやかに楽しみ、美しく強く生きる女性へ向けて発信するアンテプリマが、毎日を頑張る女性に元気とポジティブな気持ちを与え、おしゃれすることをより楽しんでもらいたいという思いで実現したWomen’s Empowerments 企画。
中園ミホ氏がコラボレーションのために書き下ろした30代、40代、50代の各世代の女性に元気を与えるショートストーリー3編で一冊のオリジナルブック「白椿たちへ」を制作、ストーリーに出てくるキーとなるカラーとリンクするようにANTEPRIMA/WIREBAGの人気シリーズSTANDARD(スタンダード)で表現しました。
本コラボレーションの発売を記念して、10月11日(水)に代官山 蔦屋書店にて中園ミホ氏とクリエイティブ・ディレクター 荻野いづみのトークショーを開催しました。そのイベントの模様を一部ご紹介します。
Q. お二人の出会いは?
[荻野]古くからの友人から、面白い女性がいるから絶対会ったほうが良いと紹介されたのが初めてでしたね。
[中園]もう9年前です。共通の友人に誘われ、コンサートに一緒に行ったのがきっかけでした。話をしていて、なんて面白くて素敵な人なのかしらと思って、それからいづみさんを大好きになって、その後も一緒に飲みに行ったりコンサートに行ったり。
Q. 今回の企画のきっかけは?
[荻野]アンテプリマがMOOK本を出した時に本屋さんでもバッグが売れるんだと驚きました。実際にワイヤーバッグは本屋で売れるのか?でも、もし「本屋」で売るならやはりストーリー(本)がバッグに入っていたら面白いのではないか、誰もやっていないことをやってみたいと考えました。中園さんとは長いお付き合いですし、占いもたまに見てもらって、ふっと言われる言葉が背中を押してくれることも多かったので、中園さんにショートストーリーを書いてもらいたいと思いご相談しました。
[中園]最初は企画の内容が違ったんですよね。私は、脚本家であると同時に、占い師でもあるので、占いやラッキーカラーで女性達を応援したいという話だったのですが、世界中を飛び回って日本に戻ってくると、会う度に斬新なアイディアが出てきて、びっくりさせられます。最終的には、素敵なワイヤーバッグと小さな物語で、頑張る女性たちに元気を与えられたらと、こういう形になりました。
Q. まずは今のキャリアをスタートするきっかけは。
[中園]ずっと脚本家になりたいと思っていましたが、評価をされたり、傷つくのが怖くて逃げていました。20代後半で占いの先生に「今やらないと一生チャレンジしないわよ」とはっきりと言われたことがきっかけです。知り合いの脚本家にも背中を押していただき、今のキャリアをスタートしました。
[荻野]私もちょうど同じ歳のころ、離婚がきっかけで某イタリアブランドのディストリビューターを始めて、ファッション業界に飛び込みました。
Q. 女性を勇気づける年代別のショートストーリー3編が収まった「白椿たちへ」ですが、お二人の30代、40代、50代はどうでしたか。
[中園]30代は忙しすぎてよく覚えていないくらい。当時女性の脚本家は少なく、仕事はどんどん来るけれど、全然書けなくて、提出しては修正の繰り返し。いつもこれを書いたらやめてやろうと思っていました(笑)。けれど、私生活にも変化があり、シングルマザーになり、そこからは腹をくくり必死に仕事をしていました。
[荻野]私も子育てと仕事と、、、ディストリビューターの仕事で海外に行くことも多くなり、子育てもしながら、もうとにかく忙しかったです。
[中園]40代になったら、やっと自分が何を書きたいかを考えられる余裕が出てきた。沢山取材をしていく中で、「これは私が書かなきゃいけないドラマだな」と自分の目で見つけられるようになった。自分で初めて書きたいと思ってTV局に企画を持ち込んだのが「ハケンの品格」です。40代でやっと自分の脚本が書けて幸せだなと感じました。
[荻野]39歳で自分のブランド「アンテプリマ」を立ち上げて、そこからまた何がなんだかわからない大変な日々でした。売ることは得意だったのですが、モノを作る、産み出すことは初めてのことも多く、仕事に奮闘していました。
[中園]50代は子育てが落ち着いたこともあり、急に楽になった。今まではいっぱいいっぱいだったのが、面白い友人に出会ったり、同級生との交流が再開したり、人生が楽しくなったんです。歳を重ねることって楽しいんだなと思いました。さっきいづみさんに50代はどうだった?と聞いたら、恋をしていたって…。
[荻野]人を恋する気持ちは50歳になっても持てるんだなと思いました(笑)。 そういう気持ちを持ち続けるのは悪いことじゃないなと思いました。
Q. 今回「Women‘s Empowerments」というテーマで蔦屋さんのPOP UPに陳列するため、それぞれが選書した本ですが、その内容を少しお話しいただけますか。
[中園]私にいつも元気を与えてくれる友人たちが書いた本を選ばせていただきました。私は素敵なお友達、ああなりたいなと憧れるお友達がいると、真似してみるんです。それで今の私がいる。そういう方々の本を選んでみました。
[荻野]アンテプリマでは、現代アートからインスピレーションを得て、コレクションに反映することが多くあります。また、私は現代アートが大好きなので、感銘を受けたアートや自分が持っているアーティストの本を選びました。
Q. 今までご自身に影響を与えた経験や習慣はありますか?意識的に自分を変えるようにしていることなど。
[中園]私の人生は占いとお酒でできています(笑)。ぐーたらな人間なので、占いは運気を見て、今やらなきゃだめでしょと自分の背中を押すために使っています。お酒はやはり「人」との出会いに欠かせないもの。助けてくれたり、成長させてくれたり、さまざまな人との出会いが、人生を豊かにしてくれます。あとはリフレッシュの為に40代から水泳をしています。
[荻野]友達ですかね。愚痴を言ったり落ち込んだ時にご飯を食べたり、何気ない会話で良いのですが、時間をただ一緒に共有してくれる友人がいることは本当に嬉しいなと思います。
Profile
中園ミホ
脚本家
日本大学芸術学部卒業後、広告代理店勤務、コピーライター、占い師の職業を経て88年にテレビドラマ『ニュータウン仮分署』で脚本家としてデビュー。徹底した取材を通じてのリアルな人物描写には定評があり、特に女性の本音に迫るセリフは多くの視聴者から共感を得ている。
2007年に『ハケンの品格』が放送文化基金賞と橋田賞を、13年には『はつ恋』『Doctor-X外科医・大門未知子』で向田邦子賞と橋田賞を受賞。その他の執筆作に『For You』『Age, 35 恋しくて』『やまとなでしこ』『anego』連続テレビ小説『花子とアン』大河ドラマ『西郷どん』『七人の秘書』『ザ・トラベルナース』など多数。
著書に『ぐーたら女の成功術』『占いで強運をつかむ』『相性で運命が変わる 福寿縁うらない』など。最新刊『強運習慣100 運をつかんで幸せになる』が11月21日に発売予定。